増える訪日ベトナム人
ベトナムはダナン(中部)やニャチャン(南部)などのリゾート地が、日本のインフルエンサーにYouTubeやSNSで取り上げられることも多くなってきた。
日本からのベトナム旅行者の数も年々増えている。
反対に、日本を訪れるベトナム人も年々増加している。
日本政府観光局(JNTO)の統計では、2018年に日本を訪れたベトナム人は38万人以上となっている。
これは5年前の2014年に比べて約3倍の数字となっている。
在留資格別在留ベトナム人数
法務省出入国在留管理庁によると、在留ベトナム人数は37万超(2019年6月末時点)。前年から比べると12.4%増えていて過去最高となってる。
技能実習 189,021人(前年比+41%増 134,139人)
留学 82,266人(前年比+2%増 80,863人)
技術・人文知識・国際業務 44,670人(前年比+56%増 28,722人)
永住者 16,651人
家族滞在 18,132人
定住者 5,575人
特定活動 5,804人
日本人の配偶者等 4,187人(前年比+19%増 3,519人)
その他 5,446人
出入国在留管理庁 http://www.immi-moj.go.jp/index.html
技能実習性の増加が目立っている。
技術・人文知識・国際業務も急激に増加している。
【技術・人文知識・国際業務の在留資格とは】
ベトナムは各地で発展を遂げているとはいえ、まだまだ貧富の差は大きい。
出稼ぎ先として日本を選ぶ人は圧倒的に多い。
【ベトナム人から見た日本】
日本での生活を考えるときに、まず押さえておきたいこと。日本の社会保険制度。
日本とベトナムの社会保険制度
日本の社会保障制度
日本の社会保険(広義)は、大きく社会保険(狭義)と労働保険の二つです。
<社会保険(狭義)> | <備 考> |
医療保険 | 被用者保険(職域保険)や国民健康保険などがある |
年金保険 | 国民年金(基礎年金)と厚生年金保険の2階建構造になっている |
介護保険 |
労働保険とは、雇用保険や労災保険を指します。
<労働保険> | <備 考> |
雇用保険 | 労働者が失業時に利用できる生活保障や職業訓練制度 |
労災保険 | 労働者がケガを負ったりした場合に、その生活を補償するための制度 加入は義務 |
ベトナムの社会保障制度
ベトナムの社会保険制度は、社会保険、健康保険、失業保険の三つからなっています。
ベトナムでは、労働者を対象とする公的な保険制度として、①社会保険、②健康保険、③失業保険の3つの制度があり、強制加入となっている。医療は社会保険の一部と健康保険、年金は社会保険にてカバーされている。これらの保険料は、労働者の賃金に雇用主と労働者が規定された各保険の負担率を掛け合わせた額を納付する。
ASEANにおけるヘルスケア制度・政策調査 https://www.jetro.go.jp/ext_images/industry/life_science/healthcare_asean/vn.pdf
社会保険制度
疾病手当、産休手当、労働災害・職業病手当、退職年金、遺族給付等
<社会保険制度> | <ベトナム語(英語)> |
疾病制度 | Chế độ ốm đau(Sickness Regime) |
退職年金制度 | Chế độ hưu trí(Retirement Regime) |
健康保険の中には、医療保険制度(Bảo hiểm y tế(Health Insurance))があり、自己負担額は医療費の60%~100%。
ベトナム人が加入する医療保険制度(在留資格別)
日本国内で働く場合、外国人であっても日本人と同様の労働関係法令(労働基準法、最低賃金法など)が適用されます。
また、社会保険についても日本人と同じように適用されることになります。
また、ベトナムと日本の間では、2020年3月現在、社会保障協定の締結には至っていません。
厚生年金保険に加入している場合、日本出国時に年金の脱退一時金を請求できます。
技能実習の場合
入国直後の2ヶ月間の講習期間を除いて、任意適用事業など一部の場合を除き、医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険に加入が義務付けられています。
留学の場合
留学の在留資格では、原則、働くことができません。
しかし、ほとんどのベトナムからの留学生は、資格外活動許可を得て、1週間に28時間以内の限度でアルバイトをする人がほとんどです。
また、外国人留学生は、国民健康保険へ加入しなければいけません。
技術・人文知識・国際業務の場合
ベトナム人経営者が、ベトナム人従業員を雇う場合などの社会保険加入については、日本人同様の法令が適用されます。
株式会社などの法人か、個人事業主かなどによって条件が変わってきます。
日本人の配偶者等の場合
「日本人の配偶者等」の在留資格は労働制限がありません。
なので、偽装結婚などの犯罪が多くなっているようです。
しかし、配偶者と離婚した場合は注意が必要です。
在留資格の変更が必要となります。(この辺の詳細はまた別の機会に。)
仕事をしていない場合、配偶者の扶養に入ることも出来ます。
まとめ
人口減少の著しい日本では、コンビニや飲食業をはじめあらゆる業態でベトナム人労働者が欠かせない存在となっています。
不利な条件で労働を強いられるなど、良くない話はつきませんが、あらゆる労働者は日本人同等の社会保障制度が受けられることを覚えておきましょう。
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